「ワタシってサバサバしてるから」1巻のネタバレと感想をご紹介します。
出版社に勤める網浜奈美は同僚から「自称サバサバ女」だと思われています。
しかし、本人はそれに気付いておらず、むしろ周囲の女性を見下していました。
そんなある日、社内合コンが開催されることになりましたが、何故かそこには網浜の姿があり・・・
“自サバ女”網浜が周囲を引っ掻き回す「ワタシってサバサバしてるから」1巻のネタバレをどうぞ!
「ワタシってサバサバしてるから」1巻のネタバレあらすじ
「女の敵は女だ」
出版社に勤める網浜奈美(28)は、そう思っています。
それ故に、上司に叱られてめそめそ泣いているような女性を見ると、こう思ってしまうのです。
「みんな私みたいにサバサバ生きれば良いのに!」と。
自分のように「嫌なことは嫌」とはっきり言えば、職場の男性からは舐められたり、パワハラとかされずに済む、と豪語する網浜。
しかし、網浜の言葉を聞いた同僚の藤川亜紀と安藤晴香にしてみれば、そのアドバイスは的外れもいいところです。
独りよがりな網浜のアドバイスに引きながら、二人は適当な相槌で彼女の話を流します。
同僚がうんざりしていることにも気づいていない網浜は、その足で上司を見つけると、二人の前でこう言います。
女はすぐにイジける、泣けば許されると思っている女は嫌だ。女全体の価値を下げにきてて頭にくる、と。
言ってやったと言わんばかりな態度で一人悦に浸る網浜の姿に、
同僚たちは思わず「アンタが言うな~~~!」と、言葉を無くして呆れていました。
その数日後、営業部のエース山城達也との社内合コンを取り付けた藤川と安藤。
しかし、参加するはずの牧田が急用で欠席することになってしまいました。
欠員のためお流れ・・・なんてことを避けるため、二人はこういった集まりには決して参加しない同僚の本田麻衣を誘うことに決めます。
ダメ元で声をかけた二人でしたが、意外にも本田の返事は快いものでした。
担当記事の取材になるという理由で参加を決めたのです。
その夜、山城、鈴木雄太と加賀亮の三名と合流した安藤らは、少し離れたところに網浜の姿を見つけます。
友人らしき男性の腕に絡みつき、もう少し飲もうと誘っている最中だった彼女もまた、安藤と藤川に気付きました。
すぐさま「合コンだったの?」と興味を示す網浜。
知り合いなら一緒に飲みにいけば、という友人の言葉に対し、人の良い藤川が社交辞令としてお誘いをかけます。
心の中で強く拒否する安藤ですが、網浜はそんな空気を読むことなくお邪魔することにしました。
お店に着くなり、網浜は早速やりたい放題です。
自らを「男性寄り」だと主張して止まない網浜。
藤川の選んだ店を「私だったらこんなお店選ばない」と言ったり、メニュー表を指差し宇宙食だと揶揄したり、場の空気を早々にしらけさせました。
趣味の話が出た時も山城の示した趣味には好意的で、自分も同じ趣味を持っていると主張します。
その一方で、本田の趣味である植物の育成に対しては、半笑いで「私には無理だわ」と嘲りました。
しかし、そんな網浜の悪意ある態度も、本田の前ではなんの攻撃性も発揮しません。
そうですか、と受け流し、添えるように自身の見出す楽しみを伝える本田に、網浜の表情はつまらないと言いたげに曇りました。
その後、本田をネタにしようと仕掛ける網浜ですが、あっさりと受け流され、むしろ周囲の男性がそのフォローにまわる羽目に・・・
自分がスベったみたいだと、更に不満をあらわにする網浜。
そんな空気の中、それまで静かにグラスを傾けていた加賀がゆっくりと口を開きました。
そして、網浜に向かってこう言ったのです。
「そうやって人を貶めようとするのが、一番女の嫌なところ煮詰めた感じがしますね」と。
凍りつく空気の中、怒りに震える網浜に追い討ちをかけるような言葉が降り注ぎ・・・
「ワタシってサバサバしてるから」1巻の感想をネタバレ紹介♪
続いて、「ワタシってサバサバしてるから」1巻の感想をお伝えします!
“自称サバサバ女子”網浜の問題点
自称サバサバ系女子とは、「自分が『さっぱりした性格のサバサバ系女子である』と周囲に自らアピールしている女性」のことを指すようです。
本来、サバサバ系女子は男女ともに好かれることが多く、付き合っていて非常に気持ちの良い人柄であるが故に、そう思われたいという気持ちが強く出てしまったのでしょう。
そういった人は、発言に対して行動が伴っていないことが多く、自分の考えをはっきり言うことと無神経な物言いをすることの違いをわかっていないようです。
周囲から好かれようと思う気持ちそのものは悪くないものですが、相手に対して礼を欠くような態度は、悪意の有無に限らず見ていて気持ち良くないですよね。
本作の主人公である網浜奈美も、そんな“自サバ女子”の一人です。
「毒舌すぎた?」と言いながら、傷ついた同僚に追い討ちをかけたり、女性らしい趣味嗜好の持ち主を「自分はそうじゃないから」と小馬鹿にしたりします。
確かに趣味嗜好にも「女性らしい」「男性らしい」というのは印象としてあるでしょうし、自分の性別や外見とは違った印象の趣味嗜好を持つこともあるでしょう。
もちろん、それは決して悪いことではありません。
お菓子作りの好きな男性だって素晴らしいですし、大型バイクを乗り回す女性だって素敵です。
しかし、網浜の場合「自分は男っぽい趣味が好きだから」を言い訳に、女性らしい趣味を持つ人に対して「そんなものが好きなんて」と否定的な態度をとっています。
これが一番の問題なのではないでしょうか。
相手が何を好きかを知ることは、相手がどういうものに興味があって、何を重要視するのか、という相手への理解に深く関わっています。
そこを軽んじるというのは、その人との関係を軽んじることに他なりません。
自分の好きなものや好きなことを馬鹿にされたら、誰だって嫌な気持ちになりますよね。
網浜はそういう意識が薄いのかな、という印象を受けました。
「素敵なお店」は「イースタ映えのため」、「おしゃれな服」は「女を出すため」と解釈するあたり、彼女にとって物事を選ぶ基準は「他人にどう見られるのか」なんですね。
好きだから選んだ、と考えないあたり、日頃彼女が選んでいる趣味嗜好も「他人から“こう見られたい”という自分のイメージに合うから」なのかもしれません。
そう考えると、いつかその考えに縛られて自分の好きなものがわからなくなってしまうのではと心配してしまいます。
寂しい人なのかもしれないな、と読んでいて少し感じました。
“真正サバサバ女子”本田の反応
本作「ワタシってサバサバしてるから」の主軸である“自称サバサバ女子”と“真正サバサバ女子”の対比、その真正サバサバ女子として登場するのが本田麻衣です。
外見からして、パワフルな印象を受ける網浜に対し、本田は見るからに女性らしい華やかさがあります。
話し方も丁寧で、読み初めは彼女がサバサバ女子だとは思わないほどでした。
しかし、合コンが始まり、網浜がやりたい放題になると、彼女の“らしさ”が出てきました。
網浜の失礼な態度に、誰もが顔を顰めたり言葉を失ったりする中で、本田だけが穏やかな表情を崩さず、丁寧な言葉を返しています。
特にファッションの話になった時のことです。
自分の服装を「いつもより女を出している」と揶揄されたにもかかわらず、「お気に入りの服を着てきただけですが、下品でしたか?」と返したのは上手いと思いました。
同じ服でも受ける印象は人によって違いますから、自分の好みを示した上で相手の価値観を尊重している本田のさっぱりした性格を感じる言葉ですね。
それ故に、網浜から「そんな女子みたいな甘いお酒飲めない」と言われた時に「血糖値高いんですか?」と返したのが個人的には気になってしまいました。
甘いお酒が飲めない、と言われたら、一般的には「苦手なのかな」となる気がします。
確かに食事傾向から健康を気遣うことはありますが、血糖値を気にして避けているのであれば、アルコールそのものを制限していることでしょうし・・・
もしかしたら、本田も表に出ていないだけで網浜の態度に気になるところがあり、少し反撃をしておきたかったのかな、という印象を受けてしまいました。
網浜からの悪意に対して、非常に受け流しが上手い本田ですが、時折こういったぐさりとくる反撃を持ってきます。
それが意図的なのか天然なのかは、あまり本田の心理描写がされていないのでわかりませんが、本田のこういうところが網浜からの対抗意識をより強めている気がします。
人当たりが良いので、決して多くはないでしょうが、彼女は彼女で敵を作りそうなところがあるな、と感じました。
「ワタシってサバサバしてるから」1巻ネタバレまとめ
“自称サバサバ系女子”の網浜が強引に参加した社内合コン。
お開きになった後も、彼女は元来の強引さで山城と共にタクシーへ乗り込みました。
しかし、網浜の一言に山城は身の危険を感じ、途中下車をしてしまいます。
一人残されたタクシーの中、網浜の元に一件の連絡が・・・
網浜の勘違いが増長する「ワタシってサバサバしてるから」2巻はこちらからどうぞ!