「ハレ婚」1巻のネタバレと感想をご紹介します。
東京で失恋した小春は、父の入院をきっかけに、もう恋なんてしないと意気込んで地元へ戻ってきました。
しかし、慣れ親しんだ父の店が借金を抱えていることを知り、借金返済のためにはよく知らない相手と結婚しなければならなくなり・・・
しかも相手は既婚者・・・!?
無鉄砲な主人公が“ある条例”に振り回される「ハレ婚」1巻のネタバレをどうぞ!
「ハレ婚」1巻のネタバレあらすじ
上京していた前園小春はこれまで三人の男と付き合いましたが、そのいずれもが既婚者であることを隠していました。
とうとう東京の男に見切りをつけた彼女は、父親の入院を機に実家へと戻ることにしました。
父の見舞いに病院へとやってきた小春がエレベーターを降りようとすると、目の前に涙を流した見覚えのない男性が立っていました。
小春のことを知っているらしい彼は、なんの前触れもなく小春を抱きしめました。
突然のことに思わず悲鳴をあげ、身一つでエレベーターの中から逃げ出す小春。
そんな彼女を追うこともなく、男性は小春の荷物をエレベーターの外に置き、最後に「お父さん、残念だったね」と言い残して去って行きました。
不安に襲われ、父の病室に飛び込んだ小春が見たのは、予想に反し元気な父の姿。
飲み物を買いに行っていた母が戻り、久し振りに顔を合わせた両親に、小春は実家に戻りたい旨を伝えます。
呆れる母と歓迎する父に、小春は父の退院まで店の手伝いもするし、と母の機嫌をとり直そうとしました。
しかし、二人はそっと顔を背けます。
実は今回のことで父が以前のようには歩けず、店を続けることができなくなってしまっていたのでした。
店を畳んでしまうことを決めていた両親に、小春は店を継ぐ決意をします。
翌日、早速友人たちを呼び込んだ小春。
しかし、何故だか母は猛反対し、小春の後先考えない性格を叱ります。
両親の力になりたいだけだった小春は母の怒りを理解できず、勝手にしたらいいと出ていく母の態度に落ち込みました。
そんな時、小春宛に東京の元彼がよりを戻したいとメッセージを送ってきます。
怒り狂う小春を既婚者ハンターと揶揄う友人たち。
恋も結婚もしないと断言する小春に、友人たちは「既婚者でも結婚しちゃえばいいじゃん」と笑います。
この町なら「ハレ婚」があるし、と盛り上がる友人たちの言葉が聞きなれず、小春が「ハレ婚」について訊ねた時でした。
昨日小春に抱きついた謎の男性が店にやってきました。
ブレンドを頼んだ彼は、小春の珈琲を飲むと涙を流し、小春の元に近づきます。
再び怯える小春の腕を掴み、小春を「可愛いだけの女」と称し、そんな彼女の入れた珈琲を「何のインスピレーションもわかない」と言い捨てます。
珈琲代として五円玉を小春に握らせ、店を出る男性。
そんな彼の態度に、小春は少しだけときめいてしまうのでした。
その翌日、初日に三杯しか売れなかった小春の珈琲に対し、ほらみろと言わんばかりの母は、店に借金があることを小春に伝えます。
どう足掻いても店を立ち直させることができないことを知った小春は、気晴らしに海沿いを散歩していました。
そんな中、モデルのように美しい女性と歩く例の男性と鉢合わせてしまいます。
小春の珈琲を五円の価値しかないと言いながらも店に来ようとする男に怒りを露わにしながらも、小春は「どうせ最後の一杯になるから」と事情を話しました。
男性は静かに涙を流した後、財布を忘れたと言って彼女を置いて出て行ってしまいます。
気まずさから女性に話を振った小春は、二人が恋人ではなく、夫婦だということを知りました。
驚く小春ですが、戻ってきた男性がさらに別の女性を連れていたことで、驚きは更に大きくなります。
三人の関係に困惑する小春をよそに、男性は「珈琲代」として紙袋に詰まった札束をカウンターに投げ出しました。
この先三十年分くらいと先払いされた大金に固まる小春。
おまけに二人の女性、ゆずとまどかを「僕の妻たち」と紹介した彼は、続けて小春にこう言います。
「僕と結婚しないか?」と。
実は、この町では「ハーレム婚(通称:ハレ婚)」という一夫多妻制が試行されているのでした・・・
「ハレ婚」1巻の感想をネタバレ紹介♪
続いて、「ハレ婚」1巻の感想をお伝えします!
無鉄砲な主人公と謎の男性
本作の主人公前園小春は非常に明るく、元気な22歳の女性です。
女性、というよりは「女の子」と表現しても良いほど素直で無鉄砲なところがあります。
溌剌としていて、見ていると元気がもらえそうなところがある一方で、少し無責任というか、考えなしなところもあり、自分の発言に対する責任感が足りない面も見えますね。
良くも悪くも自分に正直な子なのでしょう。
そんな彼女に対し、何故かベタ惚れな謎の男性が出てきます。
伊達龍之介という名の彼は、どうやら十二年前に小春と出会っているようなのですが、小春はその時のことを全く覚えておりません。
10歳の頃の記憶なので、印象深いものなら忘れなさそうですが・・・たった一度会っただけの知り合いとかなら忘れてしまっていても仕方ないですよね。
しかし、その頃からずっと小春を忘れずにいた龍之介は、案外一途なのかもしれません。
奥さんがすでに二人いる龍之介ですが、個人的にはたとえ小春の他を三人目を迎えていたとしても、最後のひと枠だけは彼女のために取っておいたのではないかと思います。
作中では偶然小春が出戻ったので、三番目の奥さんとして結婚を迫っていますが。
また、龍之介の正体もわからないことばかりです。
小春の父の「自分も彼のファン」という言葉や友人の「どこかで見たことがある」という台詞から、彼が著名人なのは想像がつきますが・・・
小春と龍之介の出会いは?
何故龍之介は小春に対してこんなに入れ込んでいるのか?
そもそも龍之介は何者なのか?
そんな疑問が後を絶たない「ハレ婚」の第1巻、続きが気になって仕方ないですね!
「ハーレム婚」というシステム
そもそも一夫多妻制とは、読んで字の如く「一人の夫に対して同時に二人以上の妻を持つこと」です。
作中では「一度に四人まで妻を持つことができる」とされ、男性側は妻を平等に愛することとするとされています。
これは、コーランを法源とするイスラーム法の一夫多妻制と同じルールが敷かれていますね。
日本もかつては一夫多妻制がありましたし、正室と側室と身分に差はあれど、江戸時代にも側室制度がありました。
そう考えると、一夫多妻制度はそれほど悪習というわけでもないとは思います。
もちろん大前提として、多くの妻子を養い、同等の扱いをするだけの器量が男性側にあるのであればですが。
ただ、中には「女性による植物性食料採取」が生活の支えとなっている地域もあり、そこでは多妻でなければ食べていくことすらままならないようです。
豊かさの象徴、子孫繁栄、生活基盤の安定・・・目的は様々でしょうが、本作の「ハレ婚」のシステムは「結婚に新しい選択肢が増えた」という前向きなものに感じます。
ただ、こちらの一夫多妻制にもデメリットはあるでしょう。
それは、男性間の格差の広がりです。
集まる人のところに最大四人の女性が集まってしまうわけですから、その分女性に好かれにくい男性はより一層女性との縁がなくなってしまいます。
また、相続問題も大きいですよね。
相続権を持つ人数が増えれば増えるほど分配は大変ですから・・・
その他にも多くの問題があるでしょうし、それぞれの解決案も含めて提案されるようにならないと、現実的には難しいかもしれません。
小春のように、一度根付いた「一夫一妻制」の倫理観が強い方もたくさんいるでしょうしね。
彼女が最終的にこの関係をどんなふうに受け入れていくのか、楽しみです。
こだわりを感じる魅力的な女の子たち
とにかく絵がとても綺麗で嬉しいです。
メインの登場人物は主人公の小春、その相手龍之介、第一の妻ゆずと第二の妻まどかの四人です。
タイプの違う三人の女性はみんな綺麗で可愛らしいし、龍之介も怪しい雰囲気を纏いながらもどこか不思議な魅力のあるキャラデザをしています。
なのに、時折見せる変顔がまた面白く、シリアスとギャグの緩急に笑わされてしまいます。
また、アングルが絶妙で、作者のNON先生の強いこだわりを感じます。
下から見上げるアングルが多く、服の裾から覗く下着や女体が好きなのかなって・・・
個人的にはこういった作者の「好きなもの」がいっぱい詰まった作品は、見ていて面白いです。
もちろん、逆に苦手だって人もいるでしょうし、そういう人にはあまりおすすめのできる作品ではありませんが、私は大好きです!
趣味の合う・合わないは人それぞれあるでしょうが、「この作者はこういうのが好きなのかなー」なんて考えながら読むのはとても楽しいですね。
これからも魅力的な女の子をいっぱい描いてもらいたいです。
「ハレ婚」1巻ネタバレまとめ
東京での失敗を機に戻ってきた地元では、一夫多妻制を認める「ハーレム婚」が認可されておりました。
そんな事をちっとも知らなかった小春はその条約に嫌悪感を示します。
しかし、借金を抱えた父のお店を守るため、伊達龍之介という謎の男の三人目の妻になることになり・・・
無鉄砲で負けん気の強い小春の気になる新婚生活は「ハレ婚」2巻でどうぞ!