序文
「キスでふさいでバレないで」8話ネタバレ
溝口さん、どうしたんだろう。
楓は突然、自分の席に座りだした溝口におどおどする。
まだやらなきゃいけない仕事があるのに、と楓は溝口に声をかけ続ける。
だが、溝口は手を止めないし、席から避けようともしない。
そのとき、スパンッと気持ち良いほどの音が鳴った。`
溝口が痛がる後ろには、楓の彼氏、書類を丸めたハリセンのような筒を持った塩谷が立っていた。
ちょうどいいや、と溝口がひらめいたかのように塩谷に言った。
「お前、佐藤連れて飯でも行ってきて」
楓は抗議するが叶わず、塩谷に連れられ会社をあとにすることに。
「心配?」
塩谷は楓の様子をみて、説明を始めた。
溝口は一通り営業の仕事は回せる人であること。
実は自分が、溝口に楓の様子を気にかけてほしいと頼んだこと。
最後に塩谷は謝罪の言葉を口にする。
楓はその話を聞いて、塩谷が溝口とのコミニュケーションの潤滑油になってくれていたのか、と思ったのだった。
「塩谷さんが謝ることなんてなにもないです。むしろ、私の方こそどう感謝していいかわからないくらいです」
何も気にしなくていい、と塩谷は返したが楓はどうもそうはいかない様子。
楓は、夜ご飯をご馳走させてほしいと、思いついた。
塩谷のリクエストは、卵焼き。
卵焼きなら居酒屋か、とスマホを取り出し検索し始める楓。対し、塩谷は「甘い卵焼きが食べたい」と伝える。
居酒屋のは大体がだし巻きで、甘くないのだ。
ここまで言って塩谷は、思ったことをそのまま言いすぎた、と再び考え始める。
「甘い卵焼き、私が作ります!」
楓の宣言により、楓の家に行き先は決定した。
元から送り届けるつもりでいた塩谷は、楓が行き先を自宅にしたことに対して謝ると、大丈夫と答えて腰を下ろす。
あんまりちゃんとしたものじゃなくて恥ずかしいですけど、と料理したものをお盆に乗せて楓は着々と夜ご飯を食べる用意をする。
「これ全部佐藤さんが作ったの?」
すごい、と明らかにご機嫌な塩谷。さっそくお目当てだった甘い卵焼きに箸を伸ばす。
目を輝かせて、美味しいと言う塩谷に楓は照れて、片言で「ヨカッタデス」と答えた。
塩谷と溝口は普段、料理をしたりしないのかと楓が質問をすると、外食か弁当の二択だ、という。
塩谷の食生活を心配しつつも、そういえば、と楓は思い出す。
溝口に用事があって、塩谷は営業部に顔を出したのではないか、と。
楓がそう質問すると、塩谷は何のこと、とでも言いたそうな顔で溝口には用事はない、と言う。
じゃあなんで営業部に来たんだろう、と楓は考える。
塩谷は、灯りがついていたからまだ佐藤さん残ってるかな、と思ったため足を運んだようだ。要するに、楓に会おうと思って営業部に来たのだった。
私に会いに来てくれた……?
行ってこっそり見るだけだった塩谷さんが、会いに来てくれて一緒にご飯を食べているなんて。
幸せすぎる……。
そんなふうに思っていると、塩谷が楓の手料理を食べ終わったようだ。
「美味しかった。ありがとう」
そう言いながら塩谷は楓の頭をポンポンと撫でる。
精神がキュンで摩耗する、と悶える楓。
塩谷が食器を片付けようとすると、楓は止めに入る。
自宅にあがってもらった塩谷は楓からすると彼氏である前に、おもてなしの対象であるお客さん、なのだ。
「……お客さん?」
ちょっと塩谷はムカついたようだ。
ムキになって楓にくっついていたずらを続けた。
「俺はお客さんじゃなくて、彼氏。」
楓が塩谷の表情で気づいて、怒っている理由をきくと「お客さん」と呼ばれたこととお客さん対応だったことにムカッときていたらしい。
食器洗いスポンジを没収された楓は返す言葉もなく……。
彼氏に対して、気を遣いすぎである。
もっと、些細なことでも甘えてほしい。
塩谷にそう言われ、お客さんだなんて他人行儀だったかな、と少し反省する楓。
「泊まっていってもいい?」
どうやら塩谷のスイッチが入ってしまったようだ。
「後ろ向いて」
塩谷に下半身、胸を愛撫され楓は早々に、我慢できないと膝をついてしまう。
床に座り込みながら、楓は塩谷に催促する。
塩谷は困った表情で無言のままだ。
無言のまま、楓の言う通りに自身を楓に挿入る。
すごい、一気に置くまではいっちゃた……。
無意識に腰が揺れてしまう楓は、塩谷に「気持ちイイの?」と耳元で囁かれる。
「やだ、言わないで……!」
「俺は、気持ちイイけど……」
楓は快楽の波に耐えるので必死なようだ。
その後、二人は同時に果てる……。
その頃、溝口は会社で頭を抱えていた。
書類の情報が抜けているのだ。
臼田さんの手伝いしてた頃にみた部分が見当たらない、と溝口は書類を確認しながら情報が抜けていることに気づく。
以前のが無い代わりに、ファイルに挟んである書類。
溝口は、楓が一生懸命ミスを出さないように一から資料を一人で作成していたのだ、と推測する。
来月までにはどうにかするつもりで、楓は今まで残業をしていたのか。
溝口は、一人で一から調べ物してまとめあげようとしていた楓に対して、そりゃ終わらないよ、と口をこぼす。
そして同時に思う。仕事一筋だと思っていた臼田に対しての不信。
嘘だろ、と夜の会社で独り、デスクの書類に向かって言っていた。
「キスでふさいでバレないで」8話感想をネタバレ紹介♪
「キスでふさいでバレないで」8話ネタバレまとめ